■簡単なあらすじ
遊ぶ金欲しさに闇金に手を出し、取立てに追われる青年・梶くんの前に現れた謎の男・斑目貘。自らギャンブラーと名乗り、借金返済を手伝うと豪語する貘は、闇カジノへと乗り込むが…!?
■おすすめポイント
文字通り“命を賭けて”二人でババ抜きしたり、水中でポーカーしたりする漫画。
前者は負けたら死ぬ。後者は先に死んだら負け。
斑目貘は“嘘喰い”と渾名される賭博師。
大金や命、巨大なリスクを背負い、不確かな賭けをする事で生を実感できる彼は、
幾度も、その身と命を危険に晒す。
賭け金を吊り上げるため。
勝利への布石を置くため。
何より、死んで負けないため、あえて命を賭ける。
この手の漫画にありがちな、イカサマを見破り勝利の糧にするのは寧ろ楽なケース。
運次第で死ぬ可能性があったり、予期不可能な事態は必ず起こる。
それでも彼は論理的な最適解を考えながら、あらゆるリスクを冒し、
万策尽くして不確かな推測を確信に変え、ブラフを食い破り勝利を手繰り寄せようとする。
人生において物事を選択することは『すべてがギャンブル』であるし、
『100%勝つ勝負はギャンブルじゃない』。
それでも彼は『勝つために賭ける』のだ。
賭けに勝ったとしても安心はできない。
敵は暴力、権力に訴え、負けを帳消しにしようと足掻く。
“嘘喰い”は階段を上っただけで息が切れるヒョロヒョロのカトンボなので
暴力に訴えられるのは大ピンチだが、得意のブラフで乗り切ったり、
味方戦力をさりげなく懐に忍ばせ対抗する。
ディーラーである“立会人”も、ゲームの進行を妨げたり、
不正行為や暴力によるちゃぶ台返しを行う者への対処、賭けの代償の取り立てとして戦う。
修めた武術、特異体質、意志、そして賭場を取り仕切り、勝負に立ち会いたいと願う深い業。
強さに確かなバックボーンが与えられたキャラクターが殴り合い、シバキ合い、殺し合う。
スリリングなバトル漫画としての側面も本作は持っている。
個性溢れるギャンブラーたち、賭場を取り仕切る立会人たち。
“嘘喰い”に出会い惹かれながらも、自分の在りたい姿を目指し
闘いの中で成長していく仲間たちも魅力的である。
最後に。
“主人公の名を冠した賭博漫画なのだからどうせ主人公達が負けたり死んだりすることはない”
……と、人によっては思うだろう。
幾度も負けます。
幾度も死にます。
その意味。その姿。最後までご覧ください。
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