■簡単なあらすじ
少ない友人たちとともに平凡な高校生活を過ごしたタカヒロ。そんな自分に飽き飽きして短大入学を機に髪を染めた彼を待っていたのは大人びた先輩たち、キャバクラでのバイト、そこに通う刺青の男、そして図書館で出会った謎の美少女。平凡な童貞には刺激の強い世界。そうこれは世にも滑稽な童貞の噺。
■おすすめポイント
『雪女と蟹を食う』という漫画に最近どハマりしていて、似た漫画がないかなと漁っていた所、表紙に惹かれて購入。2巻まで読み進めた所で、同じ作者だと気付き、その筆の早さに驚いた。単行本が出るのも随分早いけど死なないのかな、、、
と、死の話題を出させてもらったのは2作ともに共通する要素が「希死念慮」「寂しさの共有」だと思ったから。
冴えない男、保護欲と庇護欲が表裏一体になった美女を描いた作品には太宰治『人間失格』が挙げられるが、一巻でその名前が出されている辺り意識しているのかなというのは強く感じる。それこそ、『人間失格』の名前を出されなかったとしても、「これは現代版の人間失格のようだ」と思ってしまうくらいには。
圧倒的にオススメ作品だと思う。物語だけでも面白いから小説だったとしても絶対に読んでた。
そう、さらには凄くいい物語でありながらも絵が綺麗なんだよね、、、
作者が過労死してしまわない程度に早い完結を願う。
童貞である主人公が捕食されるように女に貪られる。
アプローチが女性からなのが作品を盛り上げている。
学力的なステータスも実家の太さも（おそらく）ない主人公に唯一光るのは「容姿」。それを明記する漫画はあまり多くない。
どちらかというと「お前は平凡な顔立ちだけど性格は優しいからなあ」と友人Aから言われる描写が多いだろう。
それは主人公をどこか読者の一部として受け入れさせる為でもある。
しかし美麗に描かれる作画の主人公では「そんなことないだろ」のツッコミをメタ的に入れてしまう。
人間顔じゃない、お金を持ってても幸せにはなれない、そうなのかもしれないがそうじゃない。
無言でそういってくるような罪深い主人公の作品だ。
■読んでみる
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